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顎関節症と低髄液圧症候群

10日くらい前でしょうか、口が開けにくくなり右奥歯で噛むと顎関節がゴキゴキと嫌ーな音。間違いなく顎関節症ということで友人の歯科で見てもらうと、やはりそういうことで、手を使って整復して少しだけ改善、あとは自分で整復するやり方を教わりました。そのうち直るんじゃないかということです。

まあ一番悪い時よりはましになりましたが、本当に治るのか半信半疑です。いなり寿司を食べるのは一苦労ですが、悪くならないのならまあ適当にこのままで。

それからお酒が飲めない件ですが、おとといビールを寝る前に350ml飲んだら昨日はひどかったです。今までなら大丈夫な量でしたが、天気が悪いとダメなんでしょう。

これについてはネットで検索してみたのですが、どうやら低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症とも言う)のようです。脊髄は硬膜とくも膜で守られていて、その内側は髄液で満たされています。髄液は1日500mlくらい作られて、適宜吸収されています。交通事故で硬膜・くも膜が傷ついて、小さな穴から髄液が漏れると頭痛とかが起きて、ひどい場合は日常生活ができなくなります。お酒を飲むとより症状が強調されるとのこと。やはりこれです。

もしひどくなったら自家血パッチ(ブラッドパッチ)をしないといけないかもしれません。ただ私の場合はお酒さえ飲まなければ日常生活はほぼ問題ないので(昔からめまい、頭痛はありますが)、このまま様子を見ればいいかなと思います。天気予報を気にしつつお酒を少し飲むのはOKでしょう。

今日は雨、昨日はお酒は飲んでいませんがちょっと微妙な体調です。ゆっくり休養しましょう。

ところでヤイリのギター、そろそろなんでしょうけどもまだ連絡がありません。明日電話してみます。消費税増税の影響を受けてはいけませんので、明日入金したいところです。
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認知症の人が外出して電車にはねられ遺族に賠償が・・・

認知症の方が電車にはねられた事故がこの8年で149件ありそのうち115人が死亡したというニュースがありました。その中で91歳の方が死亡した事故で、JR東海から遺族に損害賠償せよという訴えがあり、地裁で何と720万円賠償せよという判決が出たようです。

認知症患者さんの徘徊というのは、ここは自分の家ではないと言って今はないかもしれない生まれ育った家に帰ろうとするとか、いろんなケースがあります。アルツハイマー型認知症の場合は道に迷うことも多く、判断力も悪くパニックになりやすいので踏切を越えて進入する可能性も大いにあるでしょう。

認知症の在宅介護は結構壮絶です。周りの人がうつになるケースは大いにあります。本当に頭が下がります。今回の判決がまかり通れば在宅介護を積極的にしようとする人が馬鹿を見るのは明らかです。この判決を出した裁判官のやつらは現場を知らないのでしょう。

医療現場の人間としてみると、いくつか疑問はあります。徘徊を時々していたとして、主治医がそれをわかっていた場合、何か対策をとっていたのか。漫然とアリセプト(脳の機能を上げる薬、興奮の副作用あり)を出していてその他何もしていなかったとするなら、もう少し何とかならんかったのかとも言いたくなります。

認知症患者さんに精神科系の薬を出して落ち着いてもらうことは結構厳しい縛りがあります。死亡率が上がるから原則出すなと言わんばかりの提言もあったりします。足腰が弱って骨折のリスクが上がるから出さないという医師もゴマンといます。自分の親が認知症だったらどうするのか興味がありますが。

とはいえ鉄道会社としては賠償を請求したいのもわかります。介護保険から支出するのが一番リーズナブルだと思います。認知症の方は社会で支えるという発想があれば、個人に責任をなすりつけるのは合理的でないのはすぐわかるはずなんですけどね。鉄道会社には罪はないと思いますし(他に方法がない)、損害賠償を請求された遺族の方にはお気の毒としか言いようがありませんが、今回のことをきっかけにいい方向に改善されることを期待します。

このケースは控訴していますし、今後このニュースを反面教師として議論も進むでしょうから、今回のような判決にはならないと思います。ただ認知症をめぐる環境というのは現場を知らない人たちが動かしているというのが最大の問題であることは変わりがありません。情けないことです。

酒のにおいをさせ診療するとは

今朝の地元新聞に、県内の公立病院でたびたび酒のにおいをさせて診療していた40歳代の内科医が依願退職となったという記事がありました。

ここの病院はかなり忙しいところのようで、「激務や論文執筆のため泊り込む医師が少なくない」とあります。この医師もそんな感じだったようで、夜眠れなくて酒に頼ったこともあった、とあります。

市民からの声が載っていまして、
「酒のにおいがするような状態で正常な判断ができるとは思えない」それはごもっとも。
「人の命を何だと思っているのか。医師の自覚が足りない。」確かに自覚は足りません。
「公務員は市民の手本にならなければいけないはず。」ごもっともです。
「最後は職員にかかっている。自覚を促してほしい。」どうやって自覚を促すのでしょう。

簡単にコメントを書きましたが、これを一職員の自覚のなさで終わらせてはいけません。システム上こういうことは想定されるべきで、お酒が介在しなくてもそれが睡眠薬に置き換わったり、下手をすると違法薬物とか病院の薬に手を出すとかにつながることは大いにありえます。

まずは激務を何とかするべきという発想にはならないんでしょうね。医師が足りない、大幅増員しようにも赤字になったりそもそも医師自体が余っていない、でも患者さんの数は減らせない、ということです。40歳代前半ですから当直もあるでしょうし部下の育成、科の運営、そして上の人たちからのプレッシャー、質も量もかなり厳しい業務量だと思います。

医療崩壊と呼ばれはじめてからしばらく時間は経ちましたが、根本的なことはまだ何も解決されていません。昼間働いて夜も当直業務、そして次の日も通常の業務、というのは常態化しているでしょう。

医師は足りてないのか、という問題もありますが、偏在を正せば今よりぐっと改善する可能性は大きいと思います。開業のハードルを上げれば勤務医が開業しなくて済むと考える人もいるでしょうけど、あまりそういうことをすると医師の質が長期的に落ちる可能性は大きいでしょう。都市部への偏在をどうやって解決するかは大きな問題でしょうけども、結局激務でやめていく医師を一人でも少なくすること、地方病院がもっと魅力的になること、このあたりがポイントであることは間違いないと思います。

ある地方で小児科医が絶滅寸前になった時、市民が知恵を出しあってなるべく小児科医に負担がかからないような仕組みを作ることになったという事例がありました。小児科というのは診察にかかるコストが少なく、赤字すれすれの部門です。多く患者さんを診察して、少ない医師数で当直もこなし、というのが求められてきました。従来の方法では存続困難であることはとっくに想定されていないとまずいでしょう。

近年医学生の間でも、産婦人科や小児科のみならず、内科や外科も敬遠されているようです。身を粉にして働く医師を間近に見て、自分はもっと体力的に楽な科に行きたいと考えるのも無理はありません。何とかならないものでしょうか。

<追記>
話が途中で終わってしまっていました。酒が残った状態で診察する人に対して「自覚がない」と言うことは、アルコール依存症の人に対して「意思が弱いからやめられないんだ」と言うのと同じです。まず病気として対処し、その人のバックグラウンドも含めて現状を分析し、どうやったら治せるか考えないといけません。

「激務」の実態はどうなのか、仕事以外に問題を抱えていないか、と普通に分析をしていけばいろいろとわかってくることもあるでしょう。

この先生はおそらくもう少し体にやさしい病院へと移って仕事は続けると思いますし、お酒の問題も徐々に解決に向かうかもしれませんが、別の先生が別の問題を起こす下地は残っています。どうか大きな事故が起こる前に手を打っていただきたいと思います。どうせ無理でしょうけども。

なるべく薬も検査も使わない方法

「医者に殺されない47の心得」は全て実践するのはかなり難しいです。でも部分的なことなら今すぐにでもできます。できれば頭の柔らかい主治医を見つけてからの方がいいですが。

血圧を下げる薬と脂質異常症(コレステロール、中性脂肪が高い)の薬、糖尿病の薬、このあたりは考え方を変えてもいいと思います。血圧は160を超えなくて症状がなければ(血圧が上がれば頭痛がするなど)そのまま、コレステロールも中性脂肪もある程度食事を適正化して少し高い分にはそのまま、糖尿病は血糖が200を超えなければそのまま、そのくらいはやる価値があると思います。もちろん自己責任で。

それでも最低限やってほしいのは、年1-2回血液検査をして、最低限肝臓や腎臓に影響が出ていないこと、糖尿病が年々悪くなっていないことをチェックすることです。数値が悪ければ動脈硬化の度合いを年1回程度チェックすること(血管年齢を測定)、糖尿病のコントロールを年1-2回チェック(HbA1cなど)、これくらいはやっておいた方がいいです。

そもそもなぜ血圧、脂質、糖尿病をチェックするのか。これは医者が検査しないと不安だから、ではなくて、諸悪の根源の動脈硬化があるかどうか推測するためなのです。動脈硬化があれば血液の流れる部分の抵抗が増えて血圧が上がるはずですし、原因である脂質も上がっているはず、ひょっとしたら動脈硬化の進行を加速する糖尿病の存在があるかもしれない、ということです。

動脈硬化が進行すると何が悪いか。大事な臓器の血の巡りが悪くなりますので当然機能は落ちます。ちょっとした血の塊で血管がつまりやすくなり、つまったままだと臓器(の一部)が死んでしまいます。脳梗塞とかですね。もちろん血管に圧力がかかりすぎると動脈瘤ができて破れることもあります。

諸悪の根源である動脈硬化をいかにして予防するか、その方法が薬物療法であったりメタボ健診であったりします。しかしその方法論が正しいかどうかは微妙なのが残念です。ですから違う方法で動脈硬化の度合いさえ測れれば、年々悪化していない限りは薬を使わないという手が使えます。

私はメタボ体型ではありますが(177cm90kg)、血圧は140を超えることはほぼなく、悪玉コレステロールはやや高め(日本の基準値140以下より少し上、ちなみにアメリカの基準値180)、中性脂肪は正常、糖尿病の指標であるHbA1cも正常範囲内です。もう四捨五入して50歳なので今後悪くなる可能性は大いにありますが、おそらく上に書いたような方法で対処すると思います。

検査はしてもいいと思いますが、それによって治療方針が変わる場合は検討が必要です。例えば頭痛がするとのことで頭部MRIを撮影して、偶然動脈瘤が発見されたとします。これが頭痛に関係する場合は考えますが(頭痛がかなり頻繁でひどい場合)、関係ない場合は破裂のリスクがあろうと予防的手術はするつもりはありません。

食欲不振で胃がんが見つかったなら・・・胃の2/3の切除で食欲が元に戻るなら考えますが、胃の部分切除のみでリンパ節はいじらないようにお願いすると思います。肺がんは気管をふさいでいて呼吸が苦しい場合のみ手術を考え、症状がないがんは手術はしないと思います。

全ての人に当てはまるとは言いませんし、家族から猛反対を受けるかもしれませんが、私はこうしたいです。

「医者に殺されない47の心得」を読んで

今日「医者に殺されない47の心得」(近藤誠著)を読みました。

医者という立場からは微妙な本、ではなくて、海外の研究結果とかけ離れている日本独自のやり方についての批判はその通りなのでしょう。高血圧や脂質異常症のほとんどは治療の必要がない、というのはまさにそれです。

2008年に特定健診というのが始まりました。40-74歳を対象にしている通称「メタボ健診」ですが、最近は意味がない検診とさえ言われています。腹囲、血圧、血糖、コレステロール、中性脂肪の値や喫煙習慣の有無などによって「あなたはメタボです」と診断し、適切な保健指導や薬物治療につなげるというものです。

このうち「腹囲」の根拠が不十分なため(男性85cm女性90cmって数字を見ただけでおかしい)ダメ出しをされている部分が多いようですが、今回の本によれば血圧も血糖も脂質も全て関係ないことが多いようで、じゃあ喫煙習慣だけじゃん、という結果にもなりかねないです。

wikipediaを読むと、自治体ごとにこの検診の受診率とか保健指導実施率とかで後期高齢者医療への財政負担を増やすとか減らすとかやっているようですが、何か根本から間違っているような気もします。

「軽い風邪に抗生剤を出す医者は信用するな」というのはほとんど正しいです。これは「軽い風邪」と判断する患者さんの中には少数ながらも抗生剤が必要な方がいるということで、過去にそれで後悔した医者は「99人には無効だと思っても残り1人を助けるために全員に処方する」かもしれません。

この本を読んで部分的にでも納得する医者は多いはずです。しかし学会や厚生労働省などから「ガイドライン」というものが出ている以上、ある程度はそれに従わないといけないという足かせもあります。ガイドラインに従わないことはペナルティにはなりませんが、それで患者さんの状態が悪くなったとしたら、納得のいく説明を患者さんサイドや場合によっては裁判官にしないといけないわけです。そりゃガイドラインを守った方が無難です。

患者さんの立場からは、医者にこういうことを主張してもいいと思います。医者としては明らかに自分のやり方と相容れない場合はそういう治療を断ることは十分あり得ます。いちおう医師法には「診察してくれと言われた場合は正当な理由なしには断れない」と書かれてはいますが、断る理由としては十分だと思います。

ではどうするか、頭の柔らかい医師を見つけて、一切文句は言わないからと文書にしてお願いするしかありません。そういうことが積み重なると、今のやり方は間違っているという結論に行き着くかもしれませんから、有意義だと思います。

またこの本には半分程度「がんは放置しろ」というテーマで書かれています。これは簡単です。何かあっても病院を受診しないだけです。または受診してがんという診断名を付けていただいて、その後通院しなければいいです。実際乳がんの手術の縮小化はそれで広まったようですから。

私としては病気を意識しだした40歳以上の人全員にこの本を読んでもらいたいです。ベストセラーのようでもう86万部が売れたようですから、日本人の100人に1人くらい読むくらいにはなりそうです。これでは医者もいつまでも頭が硬いままではやっていけないと思いますし、現在の医療を見直すいいチャンスだと思います。

この20年で帝王切開が倍増

朝日新聞デジタルのニュースがYahooのトップページからリンクされていましたが、この20年で帝王切開率が倍増したとのことで、1990年が10%、2011年が19.2%だったそうです。都道府県別では最低の秋田県が11.8%、最高の栃木県が23.5%。

帝王切開が行われるのは自然分娩では母子どちらかに危険がある場合です。陣痛で母の心臓が耐えられないとか、子供が危険な状態になっているので一刻も早く分娩する必要があるとかです。朝日新聞デジタルの結論は、自然分娩で予期せぬ事態が起こるため、医療機関が訴訟リスクを避けたいと思うから、とのことです。

まあその結論は間違いではなく、明らかに要因のひとつです。ただこれだけを結論にすると、医療機関のエゴという印象付けになってしまいますのでやめてほしかったですね。

そもそも今の医療現場では訴訟が1件起こるだけで大混乱に陥り、下手をすると産科終了という可能性もあります。根底にあるのは医療スタッフを守る体制が著しく貧弱なことです。言葉は悪いのですが、訴訟が起こったら医師は矢面に立たず、あとは弁護士さんによろしくと預けて自分は何事もなかったかのように次の診療をするようにしないといけません。訴訟大国アメリカはおそらくそういうシステムになっていると思います。

まあそんな事情をさて置いても、もう一つの理由としては今まで「なあなあ」で来ていた医師-患者関係がかなり変化して、何事をするにしても同意書を書いていただく必要が出てきた、ここにあると思います。昔は「俺にまかせとけ」で通用して、結果が悪くても患者さんサイドは仕方ないと思ってくれていたようですが、これがそうではなくなってきたわけです。

そうすると、少しでもリスクのある出産については詳細にリスクを説明することになります。今回の場合は帝王切開の方が死亡率は明らかに低いと説明されたら、患者さんはどう判断するでしょうか。もちろん、「いや自分はどうしても自然分娩で」という人もいるでしょうけども、おそらく帝王切開を選ぶ人は多いはずです。

あと要素としては高齢出産が増えてきて、そうなるとリスク要素が一つ上乗せになります。胎児の元気さも少し悪くなるはずです。これだけでも帝王切開が増えるはずです。それから産科医が減って妊婦さんの管理体制が手薄になっていることも十分なリスクになるでしょう。

産科は詳しくない私でさえ即座にこれだけの要素が浮かんできます。朝日新聞社には医師の知り合いはいないのでしょうか。知識がない、専門家の意見を聞かない、調べもしない。それでいてこんな記事を書くとは、医療従事者に悪意でもあるのでしょうか。

尾道市民病院小児科医師引き揚げ

今朝の地元新聞の記事ですが、尾道市民病院の小児科医の派遣が中止となり、同病院の小児科外来だけでなく尾道市の夜間小児救急外来が大幅縮小となってしまいました。

同時にある尾道市在住の方からの、行政と病院が患者サイドから意見を聞いてこなかったから、というコメントが載っていましたが、これは的外れもいいところだと思います。そもそも小児科医は全国的に不足していて、他地域から引っ張ってきたのでは根本的な解決にならないわけです。

ならばどうやったら小児科医が増えるか、また次善の策として小児科医以外に小児救急を担ってもらうにはどうしたらいいか、そのあたりを考えないとどうにもなりません。

私は直接小児科の先生から話を聞いたわけでもありませんし、うちの子供に関して市内の夜間救急で不便な思いをしたこともありませんので(ただのラッキーかもしれません)、本当のところはわからないかもしれませんが、これまで見聞してきた限りでは以下の要素があると思います。

(1)少ない小児科医ゆえに当直回数が多い
(2)夜間当直は忙しすぎて眠れない
(3)不眠不休で外来をしても翌朝通常通り勤務がある
(4)どんなに頑張っても親からのクレームが多く嫌になる
(5)夜間に緊急で診察する必要のない患者さんが多く嫌になる
(6)当直料が安すぎてモチベーションが上がらない

もし小児科医が増えれば(1)から(3)まではクリアできる可能性がありますが、逆に考えるとすぐには解決できない要素とも言えます。ならば(4)と(5)を解決することを早急に考えるべきでしょう。

当直料ですが、過去に勤務していたある病院ではひと晩2万円台というのを聞いたことがあります。これは小児科当直ではなく救急当番でない通常の全科当直のみの料金かもしれませんが、もしこの程度の当直料で夜間一睡もできないような勤務であればやってられないでしょう。時給2000円ほどですから・・・。私だったら時給1万円(ひと晩15-16万円)でもやりたくありません。体を壊します。

一つには夜間診療のコストが安すぎるという面があります。私見ですが、大病院の外来は診療所の1.5-2倍の診療コストもしくは自己負担があってもいいと思いますし、夜間外来ですと3倍くらいにしてもいいでしょう。救急車はもちろん有料化で、1回につき1万円くらいはもらってもいいと思います。病弱な子供を抱えた収入の少ない家庭に対しては後日市役所で申請してお金がある程度戻ってくるようにすればいいです。そうすれば不必要な夜間の受診も抑制できますし。

すぐにやってほしいことですが、現状の小児科がどういう状況になっているか、市民・国民の一人ひとりがちゃんと知っておくことが一番大事です。産科も救命救急も同じような状況です。そうすると不要なクレームも減りますし、結果が悪かったからといって訴訟になるということもなくなるでしょう。これさえなければ小児科医はもっと増えると思います。これをやらないのは行政の怠慢であることは間違いありません。

病院経営で規制緩和か

昨日の地元新聞の記事ですが、病院の院長・理事長には医師しかなれないという規制を緩和することに安倍総理が前向きであると表明したようです。「経営感覚を持った人が重要な位置にいることがポイント」とのこと。ただ株式会社の病院経営への参加は否定的とのことです。

要するに現状では、経営感覚の乏しい医師が病院のトップにいるから医療費が上がるばかりなのだ、というような考え方が主体となっているようです。まあしかしこれは医療現場を全く知らないなと言わせていただきます。

病院経営ってものすごく難しいと思います。効率優先だと患者満足度は低下し、職員はどんどんやめていきます。医師も看護師も不足気味ですからやめても再就職先はいくらでもあります。最低限の検査で、と一人当たりの診療コストを下げていくと病院が立ち行かなくなります。

入院が必要だけど外来で経過をみようとするとベッド稼働率が下がり経営を圧迫します。だからといってベッド数を減らすと人件費は浮きますが、冬場など入院が増える時にあっという間に満床になり受け入れ不能が発生します。一時的に決まっているベッド数以上に患者さんを受け入れることもできますが、すぐにお上から指導が入ります。もちろんその間看護師さんはオーバーワークです。

では逆に、濃厚な検査、濃厚な治療をして患者さん一人当たりの収入を上げようとたくらむとどうなるでしょうか。最近は健康保険の審査がかなり厳しくなってきて、ちょっとでも怪しいと思われると容赦なくカットされます。

それもエスカレートしていて、尿道に管を入れる時の麻酔剤入りゼリーの量が15mlはダメで10mlにカットされたという例もあります。カット分は40円かな。レセプト(診療報酬の請求書)に理由を書いていてもダメなことが多々ありました。カットするのは健康保険組合から委託された医師で、医師は医師の味方であってほしいのですが、おそらくカットすればするほど報酬がアップするシステムでもあるのでしょう。

ちなみにこのレセプト、病名漏れがあれば容赦なく削られます。病名に「糖尿病」が抜けていれば糖尿病治療薬が全部カットされ病院の損失になります。再請求してもダメです。また最近は過去にさかのぼってチェックされ、不適切なものがあれば1年前に出した薬がカットされてお金を返せと言われます。不適切というのは病名漏れなどケアレスミスもありますが、医師の裁量で出した適応外の処方もそうです。適応外というのは薬の説明書きには書いていないものの、学会発表などがあり専門医の間で効果があるとコンセンサスが得られているものです。患者さんのためにと思って処方しているのに・・・

そういう中、医療費削減に向かって舵を切るとすれば、診療報酬が減っても病院がつぶれない、患者さんへのサービスが低下しないというバックアップ体制が必要になるはずですが、よほど上手にやらないと無理だと思います。まあ現状ではありえないです。

一方で、何が本当に医療費を押し上げている要素なのか、わかっているはずなのにそこはいじれないのです。高度先進医療もそうでしょう。高齢者への延命治療もそうでしょう。好き放題やって体を壊して病院に搬送され、心筋梗塞と診断され緊急手術を受けるとか、腎臓がやられているから透析するとか、そういうのってめちゃくちゃお金がかかります。生活保護だとすると本人負担はありませんし、健康保険と違ってうるさく言われませんし。

まあこれを言い出すと本当に必要な医療まで削られそうなのでそういう部分は肯定するしかありません。ただ高齢者の延命治療とか、高齢者を一人養うのに必要なお金が月15-20万円というのは今後も続けられるとは思えません。誰しも命の価値は平等だというきれいごとを言っていては、本当に手助けが必要な人が困ります。

今までの医療については金儲け主義との批判も当然ありましたが、一方では医師の使命感に支えられてきた部分はかなり大きいです。金儲け主義の医者が1割、能力のない医師が1割いても残りの8割がしっかりしてればいいでしょう。残りの8割の医師が困ること、働いて国や家族に貢献する人が困ることをすると国が滅びます。

最近埼玉県久喜市で25病院から救急搬送を断られて患者さんは亡くなったという痛ましいニュースがありました。これは医療行政がめちゃくちゃであることの氷山の一角です。どこの病院もぎりぎりでやっています。中には救急の看板をかけながら(補助金がもられる)救急車はなるべく断るという病院があるのも事実でしょう。

しかしそういう病院に対するペナルティもなければ受け入れた病院に対するインセンティブもなし、患者さんが理不尽な文句を言い出せば医師や病院が矢面に立たされ心身ともに疲弊する、そういう現状を放置して違うところに目を向けるのであれば医療崩壊は止まるはずはありません。

結局のところ病院というものは今の消防(救急)・警察と同じように国や自治体が一括管理という方向に進まざるを得ないのでしょうか。実際問題同じようなことを国公立病院でやってみればいいのです。患者さんが減ってしまうと訴える病院があっても無視すればいいです。その代わり夜間救急は必ず受け入れる、と。さてそのためにはベッド数、医師や看護師がどのくらい必要でしょうか。びっくりするくらい必要になるかもしれません。さて医療費は増えるでしょうか減るでしょうか。

医療はもっと適正化できる?

病院を受診して、そこで支払う医療費、高いと思われることもあるでしょう。Yahooニュースのコメント欄でも「医療費が高すぎる」という書き込みはたくさんあります。で、本当に高いのか、皆さんご存知でしょうか。

実は日本の総医療費は先進国の中では一番安い(GDPに対する医療費の割合)ようです。よく盲腸(虫垂炎)の手術と入院費が例に使われていますが、日本より安い国というと東南アジア諸国くらいという感じです。香港、台湾、北京は日本より高いですし、これは2000年の資料ですので中国での医療費は上がっていると思います。

さらに日本では健康保険がありますし、高額医療費は申請すれば戻ってくるという仕組みがあります。

ちなみに身近な例ですが、月に1度病院にかかっているうちの祖母が、風邪をひいて同じ病院をその予約日以外に受診して、風邪薬を処方されました。これっていくらだと思いますか?病院に支払ったのが250円弱、薬局に支払ったのが250円弱、合わせて確か480円でした。どうでしょうこれって。

そして勘のいい方でしたら、診察料と薬剤費がほとんど同じかと思われるでしょう。そういう問題も結構あります。実は再診料(2回目以降受診の患者さんの診察費用)より調剤薬局に支払う技術料の方が高くなるケースが多いのです。医師の技術料が600円、それより薬局の技術料の方が高いとは・・・トホホ。もちろん診察を受けずに一般の薬屋さんで風邪薬を買う気にはなりませんよね。

その反対として高い医療費の代表です。まず透析料金、つまり腎臓が悪くて人工透析をする場合、一人につき年間500万円くらいかかると言われています。この場合基本的に全額公費負担。ちなみに透析患者さんは日本全国に30万人いらっしゃって、年間に総額として1.5兆円・・・。ちなみにこの中には透析を受けながら仕事をされている方もいらっしゃれば、透析以外は寝てばっかりという80台後半の認知症の方もいらっしゃいます。

その次に高い医療費として、寝たきりで自分では食事ができず、栄養剤を管から流し込んで生きている方が典型的です。会話ができて生きる喜びがあればいいのですが、ほとんどコミュニケーションがとれないのにこの状態であれば、逆にかわいそうになります。療養病棟入院費用は1日につき1万円以上ですから、年間300万円以上にはなりますね。こういう方が30-40万人いらっしゃると言われています。年間総額で1兆円以上・・・

国はこの療養病床は廃止するつもりでしたが、受け入れ先の確保が進まず(自分で数を規制しているので当然ですね)、廃止は延期になったようです。今では痰の吸引やインスリンの注射は看護師しかできず、介護施設にはこのままでは入れません。将来的には介護士でもこれらが可能になるでしょう。これで特別擁護老人ホーム(生活全介助の場合1日1万円程度、介護保険利用可能)に入ることができますが、非常に数が少なく常時入所待ちです。

今の日本には認知症の透析患者さんとか、食事がとれない高齢者を長生きさせる余裕はないと思うのですが、その他の医療を激安にすることでどうにか成り立っている面があると思います。

医療ではありませんが、生活保護の支出が年間3兆円、パチ○コ業界の純利益数兆円(らしい)、このあたりも考えるところです。日本にはこんなところに支出する余裕はないはずですが・・・

私の住んでいる地域では、診療所(医院、クリニックと呼ばれているところ)が廃止になったり、病院が無床診療所に格下げとなったりと、本当に必要な診療すら削られているのではないかと不安でたまりません。新規開業なんて事実上無理でしょう。よほど頑張って休みなく働くか(病気で入院したら終了)、自由診療をとりいれるかしないと難しいです。

30年前の医療レベルと今とを比較して、果たして何がよくなったでしょうか。もちろんよくなった面もたくさんありますが、医療を通して幸せになったかというと明らかにそうだとは言えないでしょう。困ったものです。本当に必要な部分にもう少しお金をかけないと。
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