ゴルフクラブのブランド戦略(2)ブリヂストンの凋落

ツアーステージの成功でブランド戦略に一旦は勝利したはずのブリヂストンが、とうとうブランド大幅整理に追い込まれてしまいました。まさか民主党政権崩壊が影響したわけではなさそうですが、どうにも解せません。

もともとツアーステージは名前の通り(ツアーに出ないまでも)上級者御用達のはずなんですが、それに気をよくしてどんどんアベレージ層までターゲットユーザーを広げてしまいました。それも上昇志向のあるアベレージ層で止めればまだよかったのですが、完璧なアベレージまで取り込んでしまいました。

今で言うとV-iQがそれに当たります。宮里藍ちゃんが使ってヒットしましたが、そのイメージの維持に苦労したと思います。名前がいまいちだったのがひとつの原因でしょうし、後継モデルで進化をアピールできなかったのもそうです。また同じツアステにX-DRIVE GR(これはウッドのみ)というのもあり、さらにPHYZ(ファイズ)という同じアベレージ層をターゲットにする別ブランドを立ち上げたものですから、さらに混乱したと思います。

PHYZが出た背景としては、おそらくツアーステージを広げすぎた反省があると想像しています。X-BLADEなど上級者っぽい名前のものがヒットするものだから、その中で上級者向けとアベレージ向けに分けて、とやってしまって、X-BLADE CB(ブレードなのにキャビティ?)という冗談のような名前が生まれてしまいました。

アベレージにツアーという名前でいいの?、という反省がないままずるずる来てしまって、最終的にX-BLADE GRという最高に意味不明の名前のモデルまで出ました。これはもはやV-iQとかPHYZともろかぶりますし、出すべきではなかったモデルでしょう。PHYZひとつのみに整理するのであればまだ可能性はあったでしょう。

しかしそのPHYZ、もう少しやり方があったと思います。名前が超地味で、かっこよくもありません。綴りを間違えることなく書ける人は少ないでしょう。デザインもかなり地味です。新規ブランドですから名前とデザインで勢いをアピールするか、プロモーションを激しくやるとかすればまだよかったのですが、何もできずに大安売りです。

クラブとしては十分アベレージゴルファーの期待に応えるくらいのものはあるのでしょうけども、買い替えを検討しているユーザーが手にとってすらくれないのではどうにもなりません。ちなみにアイアン1本の定価は18000円+税(スチールシャフト)と高く、X-BLADE GR/V-iQの15000円+税と比較すると若干高級なブランドという位置づけかなと思います。

一方ライバルのダンロップはアベレージ向けのXXIOが長期安定ブランドとなり、上級者向けのSRIXONも順調にブランド力を維持しています。こちらは何も無理がありませんし、かなりわかりやすいです。名前はちょい微妙ですが、それ以外の部分が完璧なので名前のマイナス面が今ではプラスになりました。もう2つとも指名買いされるにふさわしいブランドです。そのXXIOが18000円+税ですからPHYZは全く勝負になりません。

今ブリヂストンのホームページを見ると、ツアーステージの大部分のモデルはカタログを丸ごと掲載しているだけになってしまいました。詳細なページが見られるのはGRシリーズとPHYZのみになっていて、8月下旬にブリヂストンブランドの商品がデビューするとのことです。事実上大幅整理です。

私はブリヂストンは避けてきたもので(No.1ブランドは避けたいという変なこだわり)、直接の影響はありませんが、これほどまでに凋落するのは残念に思います。ツアーステージという名前、上級者をイメージしたサブブランド名に依存しすぎた結果であることは間違いないでしょう。

逆に言えば一旦ブランドイメージさえ確立してしまえば、あまり特徴のないモデルでも指名買いの対象になるということも示してくれました。ただし効果は一時的で、マイナーチェンジ効果程度のものですから、4-5年に1回くらいは革新しないといけません。
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